地理・歴史・公民がたいへんバランスよく出題されているうえ、時事に触れる問題も他校と比べて多くなっています。各塾とも時事問題をまとめた教材を出していますが、それらの勉強は必須。それだけでなく日ごろからニュース番組をチェックし、政治・経済の動きを頭に入れておく必要があります。
広範な知識を正確に把握しているかどうかを問うため、出題形式にも工夫がなされています。大問IIの問5や、大問IVの問5の並べ替え問題は、すべての項目を正確に把握しておかなければ解答できません。
そもそも年号を覚える意味は、できごとが発生した順番をおさえるためのものです。機械的に出来事と年号をひもづけするような学習ではなく、そのときに起こった出来事の順番とそれぞれの意義についてまで、全体の流れを把握しているかどうかが重要となります。
また、ただ単に覚えた知識を問うだけではない問題も出題されます。
たとえば大問Iの問3は、都道府県別の自動車保有台数と100世帯あたりの保有台数の表を見て、県名にあてはまるものを答える問題です。
47都道府県にそれぞれ自動車が何台あるか、という資料を塾で配られたことはあっても、
その内容を全て憶えている受験生は皆無です。きちんと表を読み取りつつ各都道府県ごとの特色を踏まえて、
全体の台数は多いが、100世帯あたりの保有台数が少ない
→ここは人口が多いな
→東京都だろう
といった具合に思考力を働かせなければいけません。このような問題を確実に得点していくことができるかどうかが、合否を分ける決め手となります。
総括すれば、難易度は例年と比べてかなり易しかったといえます。基本を確実におさえ、取るべき問題を落とさずに得点を積み重ねていくことが肝要です。