大問3つの構成。それぞれ地理・歴史・公民とバランスよく出題されており、問題数も試験時間に対して多いというわけではない。焦らずていねいに取り組むことで、合格点をクリアすることは可能だろう。
理科もそうだが、このところやや易化が進んでいる傾向が見受けられる。算数と国語で大きく失点した場合、理科・社会での挽回は難しいということを意識したうえで日々の勉強に取り組む必要があるだろう。
あいまいな知識や聞きかじっただけの言葉に惑わされず、きちんと身に付けた知識を元に答えを絞り込んでいきたい。
地理の問題の中に、時事問題も散見される。極端に難しい知識が要求されるものはない。注目したいのは問4と問8の2つ。
問4はデータ群から県の特徴を読み取る問題。表に書かれた内容から県の全体像を類推する必要がある。覚えた知識を総動員して絞り込む作業に、少々時間が取られるかもしれない。ポイントを絞って差異を素早く見抜けるかがカギとなる。
問8は複数の選択肢から川の特徴を選ぶ問題。紹介されている川は8種類だが、実際に問われているのは4種類のみ。すぐに自信を持って選べる選択肢が見つからなくても、他の選択肢にちりばめられた言葉(「有機水銀」や「クリーク」等)から類推することで、絞り込んでいくことができる。桜蔭受験生なら完答が望ましい。
日本史全体を俯瞰した問題。なんらかの時代に弱点を抱えている受験生は、どこかで必ず失点するという構成。どの時代もぬかりなく知識を押さえたい。
注意が必要なのは「(あ)~(う)の中で正しいものを選びなさい。すべて間違っているなら(え)と答えなさい」という出題形式。消去法では答えを導き出せないようになっているため、やはり幅広い知識が要求されている。
公民に関する問題を中心として、時事問題も織り交ぜている構成。選択肢の中に公民知識と時事知識の両方が組み込まれている問題もあるため、正確な知識が要求される。時事を押さえつつ、日本国憲法の内容をよく理解しておく必要があるといえる。