長い物語文が1つと、それとは独立した形で出題される漢字問題という構成。大問が事実上1つだけであり、それに付随する問題も多くない。4つの記述問題でどれだけ得点できるかが勝負となる。
記述問題はいずれも字数制限がないが、例年に比べてスペースが小さくなっている。書ける量が少ないため、字数制限のある問題と同様に、必要な要素を過不足なく答案に盛り込む構成力が要求される設問だった。
なお事前に説明会で告知されていたとおり、今年から問題用紙の形式が変わり、B4紙を2つ折りにした冊子形式になったので注意されたい。
極めて簡単な抜き出し問題。
いずれも大きな落とし穴はない。問われているのがどちらも「次郎の気持ち・思い」であることをふまえて、本文中の要素をていねいに拾って答案にしていくことができれば、大きく失点してしまうことはない。
解答欄が小さくなったことが影響するであろう問題。どちらも盛り込みたくなる要素・キーワードがいくつも見つかるが、周辺の情報にばかり触れていては、いちばん大切な要素について書く余裕がなくなってしまう。
開成中は例年、入試のあとに模範解答を発表しているが、いずれも解答欄のサイズに対して短く書かれたシンプルなものだった。キーワードの中でさらに重要なものを吟味して記述していく、短文記述的な設問だった。
記述問題での得点力を高めるには、添削指導が最も効果的。難関校の記述問題は、良質な問題集としても機能する。過去問を使った実戦的な指導を、なるべく早い段階から始めることが望ましいだろう。
同訓異字の「務める」、送り仮名が問われる「短い」、「幼少」「形相」の4問。
特にネックになるものはない。だが改めて注意したいのは、問題文にもある「字は一画ずつ丁寧に書きなさい」という点。漢字問題は常識的な範囲の知識やそれに付随する送り仮名だけでなく、わずかな止め・はねまでも問われるものだということを再認識していただきたい。