問題の量・質ともに例年並みです。今年は記述問題の中で字数制限がされているものが1つもなかったのが特徴。受験生の自由な発想を広く受け止めるつもりなのかと思われます(詳しくは後述)。
大問1は物語文。女の子と母親とのやりとり、母親の心情についてあれこれと考えをめぐらせる様子が肝となっています。
注目すべきは課題文だけでなく、設問の文章もしっかり読むことで、何を問われているのかを外さないことにあります。
設問の中で大変多くの条件が課せられています。それを丁寧に読み取ったうえで、出題者が求めている解答を書くことが要求されます。
大問2は論説文。自分の言葉で答えさせる設問が多いのが特徴です。
大問1と同様に、課題文と設問をしっかりと読んで、出題者が求めているものをまず押さえます。それができれば、解答の骨子となるキーポイントを把握するのは比較的容易でしょう。
問題は、その骨子に肉付けしていく要素がたいへん多くちりばめられている点です。どの要素をくみ取り、自分の言葉で言い換えながらキーポイントと組み合わせていくのか……これは一人ひとりの受験生しだいでしょう。彼らの自由な発想を妨げないように、出題者は字数制限を設けなかったのではないかと推察されます。
理科・社会がたいへん易しい内容でしたので、国語の記述で大きく失点するのは致命的なミスとなります。繰り返しになりますが、出題者が求めている答えが何なのかを外してしまうと得点することは難しくなります。フィーリングのみに頼った読解ではなく、課題文と設問を的確に読み進めていくことが合格への第一歩です。