大問2つの構成。試験時間に対して問題数が多いわけでもなく、難易度もけっして高くない。短い記述が4問あるが、どれも確実に書けなければならないもの。
ごく一部、一般的には問われないような問題も散見されるが、そういった問題でまで点を拾おうとしたら、覚えなければいけない知識量が極端に広がってしまう。そのほかはベーシックな知識で取れる問題ばかりなので、そこで落とさないよう基礎を徹底することがいちばん大切である。
山手線の北東側……つまり開成のお膝元である西日暮里周辺を軸にした問題。
下町に関する地名でなど、通常の受験勉強の範囲にはない設問もある。下町や河川など、東京23区内の主だった知識を整理しておく必要はあるが、極端に難しい問題で得点することに躍起になることはない。
そのほかは地理・歴史・公民の知識がバランスよくちりばめられており、そういった誰もが得点できるところで失点しないことを意識していきたい。
東日本大震災に関する文章を軸とした大問で、TPPや津波に関する問題といった時事問題も多く取り入れられている。日本・フランス・中国・ブラジルのエネルギー別の発電比率の資料などは、今年ならではの問題だろう。フランスの原発依存度の高さ、ブラジルにはアマゾン川があること等をふまえれば得点できるはず。今年に限らず、時事にかかわる資料には触れておきたい。
日本の周辺にある4つの海流を作図する問題もあるが、問われている内容は基礎的なレベル。
全体的に基礎的な問題だったが、これは例年どおりといえる。算数と国語の難問でしっかりと得点できる学力を養成するのが合格に必要不可欠なのは間違いない。算数・国語で築いたアドバンテージをふいにしないために、理科・社会は基礎をしっかり押さえることを意識したい。