大問5つ。例年より易化傾向にありますが、今年も文章題が多く出されました。把握しなければいけない題意が入り組んでおり、しっかりと読み取る必要があるのが桜蔭の算数の特徴です。
また、全体的に計算量や書きだしのボリュームが多く、手早い処理が求められる問題が増えているのがここ数年の桜蔭の傾向です。計算を素早くする工夫・もれなく数えあげる工夫を日ごろから怠らないこと、そういった基礎の徹底が今後も必要となりそうです。
新6年生の方々に特に注目していただきたいのは、大問IIIおよび大問IV。旅人算なり割合算なりといったジャンル分けのできない問題です。事前に解き方を身につけることはできず、試験場で、試験時間内に、自分で解き方を見つける必要があります。
といった過程を経て解法を編み出すこととなります。限られた時間の中で正確に答えを導き出すには、思考力の養成が不可欠です。
合否を分けるであろう問題は大問IVとVです。IVに時間をとりすぎてVを取り落とすのは避けたいところです。以下に各問を見ていきます。
基本的な計算と一行問題。完答が望ましいところです。
食塩水の混ぜ合わせ。ていねいに手順を追っていけば、完答は十分に可能です。
剰余の繰り返し問題。面積よりも重さに目をつけることで、すんなり解くことができます。与えられた値をそのまま使うのではなく、比を使うことで計算量は減らせます。このあたりの工夫ができる・できないが、他の問題を解く時間を捻出できるかを左右します。
とっつきは悪いものの、根気よく書きあげれば解ける問題です。
赤いブロックの高さが3段階に変化することを把握し、「最も高い」とは赤いブロックが上のほうに積まれる場合であるということがわかれば、さして時間はかかりません。日ごろからこういった、類型化できない問題に触れ続けているかどうかが合否を分けます。
ダイヤグラムを使った出会いの問題。ただの旅人算だとは考えず、相似など図形の性質も使うことがポイントです。形式そのものは比較的オーソドックスな出題であるものの、計算がやや面倒で時間がかかりそう。IIIやIVで時間を取りすぎたせいで、最後までたどり着けなかった受験生もいたかもしれません。