生物・地学・物理・化学で大問1つずつの出題。総じてたいへん易しい内容となっています。まず大問ごとにふりかえってみます。
大問1は生物。昆虫のイラストが多数載せられ、問題用紙に絵で描かせる問題も出題されています。開成が好きな形式ではありますが、問われている内容そのものはそんなに難しいものではありません。問3は表を正確に読み取ることが要求されますが、試験時間は40分と比較的余裕があります。慌てることさえなければ問題ないでしょう。
大問2は昨年帰還した「はやぶさ」にまつわる話題を中心にした天体の問題。関連する新聞の記事なり、科学雑誌なりを読んでいた受験生には有利だったかもしれません。流星のが流れる方向を答えさせる問題などは事前に対策できるものではありませんが、きちんと頭を働かせさえすれば、正解そのものは難しくありません。
大問3はてこの原理。難易度は問題の流れに乗って落ち着いて解くことができれば、問題なく全問正解できるレベルです。「棒そのものにも3kgの重さがある」という点さえ忘れなければ、つまずく要素はないでしょう。パーフェクトに答えたいところです。
大問4は水溶液の問題。奇しくも桜蔭と同様の問題ですが、難易度は開成のほうがより易しいものとなっています。ごくごく基本的な知識のみ問うており、複雑な計算も必要ないため、ここでミスをすることは大きな痛手といえるでしょう。開成中を目指す受験生ならば、ここでの失点はほぼありえないでしょう。
理科は社会以上に、開成受験生にとっては軽く答えられる問題ぞろいでした。理科・社会ではほとんど差がついていないでしょう。基礎的な分野を着実に押さえておくというだけでなく、このレベルの問題が来年以降も出題されると高をくくらないでいることも大切です。