例年どおり読解は長い物語文が1つ。問題数は他校と比べると少なく、記述欄も大きくない。これは「書く量が少なくて楽な問題」ではなく「要点をピンポイントで押さえてまとめる力が要求される問題」といえる。字数制限がある問題が出題される年もあるが、去年・今年と自由記述のみの出題が続いている。
文章問題。華惠『本を読む私』設問6問
問1は段落を別ける問題で平易。問2-6までは全て自由記述、空欄は2行。設問も丁寧でシンプルなものが多く記述に慣れている受験生であれば得点しやすい設問だった。ただし、条件はヒントとして捉える以上に、絶対に合わせなければならない基準として、解答に反映させていくようにしたい。問5では主人公が読み聞かせで読む「大好きな場面」についてどのような点に引き付けられていると考えられているかを問う問題。条件をぼくの「言葉」と「行動」に注目して分かりやすく説明しなさい、とあるので、「言葉」と「行動」から主人公の経験を重ねて記述していくことが大事。
漢字5問。漢字は、訪ねる、景勝、温泉街、浴びる、旅路、1つも落とせない。
全体的に易化した今年の開成だが、国語も昨年よりも難易度が下がったといえる。「ミスは多いが難問で得点しやすい」というタイプの受験生には不利だっただろう。速さと正確さはつまるところ量をこなすことではじめて向上する。地道な努力を積み重ねていく姿勢の重要性を、改めて確認させられる出題だった。