例年どおり大問5つ。そのうち立体図形に関する出題が2つあった。図形に苦手意識を持っている場合は早めに解消する必要があるといえる。
解くのに時間を要するのが大問4、そして大問5の問3。他は素直な問題なので、焦らず落ち着いてこなしていけば、この2問を解く時間を確保することは可能だ。
計算問題とその延長。複雑なものではないので、手早くすませていきたいところ。
立体図形の問題だが、比較的平易な内容。円柱と円すいが融合したような立体をきちんとイメージし、体積と表面積を求める問題。
問題文をていねいに式に直せば、問1問2ともに難なく答えが出せる。桜蔭中を受験するだけの算数力があれば、素早くシンプルに正解にたどりつけるはずだ。
まず数列の規則性に気づくのが最初のハードル。A列とB列をただ付き合わせているだけでは気づくことができない。A列B列それぞれの流れも検討するようなクセをつけておこう。
規則性に気づけば、問1と問2は問題なく答えが出せるはず。問3は「53番目の5」を特定するのに緻密さが要求される。そこさえクリアすれば、3桁になってからは3つずつ進んでいくことを考慮していけば解答可能。
受験算数の難問を攻略するやり方として欠かせない手法が「書き出し」である。実際に手を動かしてみたうえで、パターンを見つけて省力化していき、正解にたどりつく式を導き出していくというタイプの問題は、難関中学ならどこでも出題されうる問題。こういった問題に多く触れることで、抜け・漏れのないようていねいに書きだしていく「緻密さ」と、問題ごとに違うパターンを見抜くだけの「応用力」を磨いていきたい。
最後の大問は昨年と同じく、図形と旅人算の複合問題。しかし比重はかなり図形のほうに寄っている。
問1と問2の旅人算は簡単に答えを出せるだろう。問3は受験算数の頻出分野にして最難関の1つである、立体図形の切断。昨年の開成中でも大問4で出題されている。
特に今年の桜蔭中のように、他の問題の難易度が低めだった場合は、文字通り合否を分ける問題となる。難関中学を志す受験生にとって避けては通れない道なので、さまざまなパターンを熟知した指導者の下で、めげることなく取り組んでいってほしい。