大きく易化した。きれいではない数字の計算を求められ、答えが分数になるものも多い。しかし基礎をしっかりと理解できていれば、「どこかで計算ミスをした結果では…」と無為に不安になることもないだろう。
ここまでの易化は想定していない受験関係者も多いかと思う。おそらく合格最低点は例年よりも高くなるだろう。日ごろから「計算の精度を高める」とともに「検算・見直しの習慣をつける」といったことが、合否を分けることとなるだろう。
数の性質および平面図形に関する小問群。四捨五入・偶数奇数・公約数・円と正三角形と直角三角形・相似……受験算数で身につける概念の数々がちりばめられている。しかし、1つ1つの問題はこれまでに開成が出題してきたものと比べると平易である。出題傾向ががらりと変わったが、落ち着いて得点していってほしい。
水流のからむ旅人算に比の要素が加わっている。
距離・速さ・時間のいずれもが具体的な数字を出していない問題文だが、やっている内容そのものは通常の旅人算とさして変わらない。A地点とB地点の距離をXと置き、速さの基本中の基本である「距離÷速さ=時間」に当てはめていく。速さの比はかかった時間の逆比となるのも開成受験生ならごく自然に解けるもの。
(2)は計算が面倒なだけで、一般的な出会い算・追いかけ算である。
面食らわずに問題に取り組み、算数の基本的な概念をあらためて思い出せれば、完答は十分に可能。
水槽に水を注ぐ問題。
問題文からきちんと条件を拾っていけば、正解にたどりつくことは容易。
(2)は「下がっていく仕切り」と「上がっていく水面」との旅人算であるとイメージするのがわかりやすい。(3)でグラフを書くよう要求されるが、(2)が解ければ簡単に書ける。あるいは(2)を解く手だてとして、(3)のグラフを埋めてみることからはじめた受験生も多いはず。