2014年 桜蔭中『国語』入試分析
例年通り、説明文・物語文の大問2つ。記述形式も変わらず、説明文は字数制限なし。物語文の最後には200文字の記述が課せられるという構成。
大問1 説明文
指輪物語(映画ロードオブザリングの原作)を題材とした比較文化論だが、例年に比べて平易といえる。自分の引き出しの中から書く必要はなく、的確に本文の言葉で説明していけば、各問とも完答に準ずる点数を得られるはず。
漢字や接続詞問題の完答は当然。
記述で得点するために必要なのは以下の3点。
・最初に本文を読んだ段階で、全体の流れをきちんと掴む。
・傍線部とその周辺だけを見て答えを書く習慣を改める(この指導に終始している塾講師は残念ながら多い)。
・設問で聞かれている内容が何なのかをしっかり捉えて、問われたことを答える。
この3点は記述中心の学校の国語を攻略するうえで共通する基本事項であると同時に、入試直前までトレーニングしつづける「記述の奥義」と言える。
大問2 物語文
語彙は一つも落とせない。そのうえで2つの記述。(4)は比較的得点しやすいが、最後の200字記述がなかなかの難物。設問に「くわしく説明しなさい」としかないからだ。「○○を踏まえて答えなさい」といった形であればそれによって答案の方向性を決定づけられるが、そういった先鞭がないため、なにを持ってくわしい説明とするのかは受験生自身に委ねられている。おそらく答案は相当にバリエーション豊かなものとなっただろう。
得点していくポイントは、『素早い決断』に尽きる。
試験時間は限られているため、何度も読み返したうえで答案を推敲する余裕はない。だが桜蔭受験生であれば、本文を1度読めばこの設問に対するキーポイントがいくつか閃くはず。それらをまとめて200文字に収めれば、少なくとも0点になることはない。
記述は完答を目指すのではなく、6〜7割の完成度をコンスタントに取ることを意識して、入試演習に臨んでもらいたい。