2014年 麻布中『理科』入試分析
前年より難化。実験内容を読み取らせて考察させることは例年と変わらないが、読ませる文章量が長くなっている。合格ラインを超えるためには、広範な知識と、それを身につけるうえで習得した基本的メカニズム、そして前記2つの上に考察内容を載せていくだけの「考える力」が必要になるだろう。
大問1は様々な動物の目の構造から、その生態について、また立体メガネの見え方等にも触れている。文章は長いが、きちんと読んで流れに乗れば得点できるはず。
大問2は熱の膨張や気温に関する問題。比較的平易なので、ここも着実に得点したい。
大問3は放射線の発見に至るまでの科学実験の過程を追体験するもの。きちんと読んだうえで、ありえる・ありえないを検証していく問題。それだけでなく、「仮説を立証するにはどの条件で実験を行うべきか」まで考えさせる。麻布の理科は試験時間が長いとはいえ、相当にタイトな問題。
大問4は天体。日食関連で天体の問題は増えているが、今年の麻布は恒星までの距離の算出と、おとめ座の一等星「スピカ」の食について出題してきた。いずれも受験勉強中に扱ったことのない計算・考察をすることとなる。教科の枠すら超えた「考える力」が要求される難問。全体の合否すら分けたかもしれない。