2014年 麻布中『国語』入試分析
擬人化した自転車の一人称視点から、登場人物の気持ちを読み取る問題。文体が変り種のように思えるが、難易度そのものは例年よりやや易しいといえるだろう。というのも起承転結がわかりやすく、それに伴って主人公(及びその持ち主)の心情変化もオーソドックスに推移しているからだ。
得点力を分けるのは記述力だろう。どの記述の問題も、登場人物の気持ちを一言レベルで言い表すのは難しくないはず(「恥ずかしい」とか「誇らしい」とか「申し訳ない」とか)。だがもちろんそれだけでは点にはならないので、本文に書いてある登場人物の行動をふまえて、なぜその感情を抱いていると判断できるのかの根拠を明確にする必要がある。
幸い、解答欄には若干の余裕があるので、キーポイントとなりうると感じたものを答案に盛り込むことそのものは容易。麻布を受けられるだけの国語力があれば、大きく国語で失点することは無かったと思われる。