2014年 開成中『国語』入試分析
例年は物語文の大問1つだったが、今年はなんと随筆文と詩という構成。おまけに書き順の問題も出ている。先に総論を書くと、来年以降の受験生は「傾向に振り回されないこと」に留意していただきたい。どのような形態の文章が本文で出されようと、「本文を読んで設問に答える」という部分が変わるわけではない。どんな問題にでも対応できるだけの地力をつけている子であれば、たとえ傾向と違う問題が出たとしても、その変化すら楽しむことができるだろう。
大問一は随筆文。大問二もあるためだろうか、長さは例年より短めである。記述はここ最近の傾向である「字数指定なしの2行」というスタイルを引き継いでいる。事実の把握、心情の把握、どちらもバランスのよい出題。 開成受験生は設問で問われたことをピンポイントで的確にまとめる訓練を重ねる必要がある。 これはより長い記述の練習を積みつつ、それをシェイプアップして文字数を減らすというのが一つのやり方だ。
大問二は詩。短いが、物語文の亜種と考えていい。難度はけっして高くはないので、落ち着いて取り組んでほしい。
書き順問題は面食らった受験生も多かっただろうが、小学校の学習指導容量の範囲内。通常の語彙学習の中でもちろん書き順は習得するわけで、それをていねいにやっていれば、特に対策は不要だろう。