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「考える力を鍛えよう」学習会

2014年 開成中学入試分析

2014年開成中学の算数・国語・理科・社会の入試分析。


算数

前年とちがって、例年通り大問4つの構成に戻った。大問一を手早く済ませたい。

大問2は三角すいを上下に重ねる問題。今年の灘の2日目大問5に近いが、それと比べれば難易度はさほど高くない。ていねいに作図をすれば得点可能。大問三は変則的な時計算。

(1)と(2)については、短針・長針・秒針の動くスピードが変わっただけ(比をうまく使おう)といえるが、(3)には複雑なパターンをていねいに書き出したうえで解いていく必要が出てくる。他の問題を先に終わらせるべき。

大問四は昨年の麻布に触発されたかのような、八面ダイスの問題。ただし問われているのは数の性質がメイン。実物が用意できるものについては、他の学校で出たものも買ってみていろいろ眺めてみるのもいいだろう。 最後に展開図の問題があるので、立方体だけでなく正八面体の展開図についても学習しておきたい。


国語

例年は物語文の大問1つだったが、今年はなんと随筆文と詩という構成。おまけに書き順の問題も出ている。先に総論を書くと、来年以降の受験生は「傾向に振り回されないこと」に留意していただきたい。どのような形態の文章が本文で出されようと、「本文を読んで設問に答える」という部分が変わるわけではない。どんな問題にでも対応できるだけの地力をつけている子であれば、たとえ傾向と違う問題が出たとしても、その変化すら楽しむことができるだろう。

大問一は随筆文。大問二もあるためだろうか、長さは例年より短めである。記述はここ最近の傾向である「字数指定なしの2行」というスタイルを引き継いでいる。事実の把握、心情の把握、どちらもバランスのよい出題。 開成受験生は設問で問われたことをピンポイントで的確にまとめる訓練を重ねる必要がある。 これはより長い記述の練習を積みつつ、それをシェイプアップして文字数を減らすというのが一つのやり方だ。

大問二は詩。短いが、物語文の亜種と考えていい。難度はけっして高くはないので、落ち着いて取り組んでほしい。

書き順問題は面食らった受験生も多かっただろうが、小学校の学習指導容量の範囲内。通常の語彙学習の中でもちろん書き順は習得するわけで、それをていねいにやっていれば、特に対策は不要だろう。


理科

理科はやや難化。得点するためには、単なる暗記ではなく、各単元のメカニズムの完璧な理解が必要になる。その理解をベースとして、与えられた条件に沿うように答えていく形式。

特徴的な問題が2問あるので紹介する。ひとつは、大問2で出された実験器具の使い方に関する問題。過去にもガスバーナーの火の止め方が出題されたこともあるので、器具の使い方・なぜそのような運用をする理由というのは押さえておく必要がある。しかしそれを身につけるために理科実験教室に通う必要はない。学校の理科の授業中に器具に触れる際に、「ああ、こういうことを塾で習ったな」と復習の機会に当てることでカバーが可能(今年は国語や社会でも、「小学校の授業をちゃんと聞くこと」というメッセージと解釈できる出題がある)。

もうひとつ特徴的なのが、大問3の問5。2012の金環日食の発生時間を答えさせる問題。ちゃんと見た受験生なら、朝に見たことを思い出せたはず。開成はこの金環日食を生徒に見せるために、1時間目の授業を臨時休講にしたということがニュースにもなっていた。こういった科学的な話題についての興味を持ち、実際に日食を自分の目で見たがる子・そしてそれに協力する家庭を求めていることが、この問題に表れている。


社会

去年に引き続き、きわめて平易な問題。地理・歴史・公民ともにごくごく基本的な内容の設問であり、選択肢の構成も迷うようなものではない。他教科の失敗を社会で取り返すのは不可能と考えていい。 大問二の食文化に関する問題は、「塾の授業だけじゃなく学校の授業もちゃんと聞いてね」というメッセージと解釈することもできる(戦時中の代用食 → すいとん、など)。今後も昨年・今年の傾向が続くのであれば、事実上の3科受験という状態になっていくことも考えられる。算数・国語をきっちり伸ばしていきたい。