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「考える力を鍛えよう」学習会

2013年 麻布中学入試分析

2013年麻布中学の算数・国語・理科・社会の入試分析。


算数

例年どおり、時間のかからない問題とヘビーな問題とが混在している。大問の番号順に並んでいるわけではないというのも例年と同じ。そして最大の特徴は、「すべての受験生に共通する捨て問」というものがない場合が多いこと。

まず全体を見渡して、確実に取れるものと手のかかりそうなものとに分けよう。そのうえで、確実に取れるものを手早く解答していく。手のかかる問題については、自分が部分点を取りやすそうなものから着手していこう。

大問1

月の運行を元にした日付の問題。

確実に取りたい問題。麻布では閏年をからめた問題が出題されやすい傾向にあるので、志望者は意識しておくといいだろう。

大問2

平面図形。

円と三角形の性質が組み合わされた良問。

2つの円の中心を軸として補助線を引くと、「4つの扇形から中央のひし形の面積を引く」という図が見えてくる。このひし形は30°の二等辺三角形であるため、高さは1.5だと出すことができる。

補助線を引くコツは、「いろいろやってみること」と「図形の性質に即した線を引く」ことである。円ならば中心にまつわるものや、半径に関係するもの。三角形なら高さにまつわるもの・相似形を作るもの。それ以上の多角形なら対角線にまつわるものなどが代表的。

しかしこれらはあくまで例にすぎない。日ごろからさまざまな図形の問題にチャレンジすることで、体が自然に補助線をいろいろ引いていけるようにしていきたい。

大問3

旅人算が2割、比が8割の問題

比較的素直な問題といえる。(1)、(2)、(3)と順を追って解答していける。気をつける点は「余計に歩いた距離は、引き返した距離×2である」という点くらいか。

大問4

数の性質

ていねいに書き出すことで、各員のコイン枚数の差がどういうペースで増えていくのかの法則性を導き出す問題。

(1)は差が奇数である段階で、最後に取ったのはAであることは自明。何回目なのかをていねいに出せばよい。

(2)は登場人物が3人に増えるが、「ていねいに書き出す」という意味では変わらない。「1・2・3」ではなく「1・2・4」である点に注意して、1回目から順に書き出していけば、誰の枚数がどういうペースで増えていくかの法則を見つけ出せる。あとは87枚になりうる人と、そのときの枚数を出すだけ。

(2)の書き出し処理は、時間がかかる受験生とそうでない受験生がいるだろう。もし書き出しが苦手だという自覚があるなら、途中式までで他の問題にまわるというのも現実的な選択肢だろう。

大問5

立体図形に見えるが、簡単な比の問題。

体積比と辺の比の関係さえ把握していれば答えを出すのは簡単。(1)、(2)ともに確実に得点していきたい。

大問6

立体図形と場合の数の複合。

(1)は時間がかからないが、(2)からは「処理の速さ」だけでなく「抜け・漏れなくすべてのパターンを網羅していく緻密さ」が求められる。もちろんスタート地点に戻るパターンもだ。

(3)は見落としなく全ての移動パターンを見つけていく問題。(4)はその全てのパターンにおける、8面ダイスの目の合計を答える問題。(3)に着手する前に(4)で何が問われるかも読んでおけば、(3)と(4)で同時に処理することができる。二度手間を避ける意味でも、「最初に問題文全体に目を通す」という習慣をつけていきたい。

細かい点だが、(3)や(4)を思考するうえで、どうしても(2)の解答欄を使うことになる。あくまで(2)の解答欄なので、思考錯誤した形跡は試験終了時までに消しておきたい。


国語

例年どおり大問1つの構成で、ほとんどが記述問題。しかしその重たさにはばらつきがあり、簡単に取れる記述と、しっかりした読解力・記述力が要求されるものとに分けられるだろう。本文も平易な表現が多いが長さそのものはかなりのもの。麻布受験生は「本文を読み進める速さ」と「キーポイントを拾っていく読解力」を共に養っていく必要がある。

漢字および選択肢問題には特にてこずることはないはず。

問二や四~六の事実確認の問題も、さして難しいことはないだろう。

問七と十~十二は解答欄も大きいため、複数の要素を盛り込んだ答案をまとめていく必要がある。特に十・十一の(2)・十二の3問は、ハイレベルな心情理解が求められる。

傍線部の周囲にさえ着目すれば得点できるわけではない。そして、長い本文全体を何度も読み返す時間の余裕はない。

それゆえ、「最初に読んだ際に、ストーリーや心情変化の大きな流れをしっかりつかむ」という力が求められる。

これを身につけるには、日ごろから小手先のテクニックに頼らずに問題演習に取り組むことが求められる。記述にせよ選択肢にせよ穴埋めにせよ、「なぜその答えを書いたのか」という根拠を説明できるような習慣を身につけたい。


理科

既存の知識を実践的に結びつける応用力、連想力が問われる出題。大問3・4は時事的な話題をきっかけにした出題。話題になった理科に関するニュースからの出題は、麻布に限らずままあることなので、新聞や ニュース解説などをチェックしていきたい。

大問1

金属と水溶液。固体や気体による解け方の違い、金属の性質(鉄・アルミ)の利用法。温度変化による体積変化の仕方の違いなどを踏まえた記述問題。気体の溶解量の計算など答えやすい問題である。

大問2

生物の特徴について。基本的な知識を問う出題。本文の定義を用いて物を分類させる問題(問5)、判定させる問題(問7)。水の性質(養分を解かして運ぶ、蒸発熱による体温調節)についての考察など。広範に知識を結びつけ、理科的に説明させる出題。

大問3

光の進み方について。直進する光の性質を用いたピンホールカメラはスクリーンに映る像が上下180°回転して出来ることから、1歩先に考察を進めさせている。光源の形を正確に反映させるために求められる工夫は何か。像がぼやけないための条件を理解できるかどうかが問われている。

大問4

火星探査について

問1-4は取り組みやすい計算問題。問2は地球と火星の公転周期の違いから同じ時間に回転する角度が異なることに気づれば良い。

問5、6は火星探査機のキュリオシティについて。地球からの指令電波が火星の表面に届くとはどのような状態か考えられるのがカギ(問5)。

問7惑星の表面温度が上昇するために必要なものは何か→現在の地球の温暖化からの連想ができるかどうか。

問8、9地形についての特徴を写真から読み取れればよい。


社会

今回の設問は12問。うち10問が記述問題であり、どれも、文章を足がかりにして、自分の知識をもとに解答する内容。例えば、問2は多賀城から蝦夷征伐。

問2

宮城県多賀城市の多賀城碑に刻まれた文字。

問5

戦前と戦後の天皇の写真の比較。

問5は、ふたつの資料が1938年と1949年のものであることから、太平洋戦争中と戦後の天皇の地位が主権者から国民の象徴になったことなど、基本的な知識をふまえながら記述したい。あまり自由な発想にとらわれず、論理的に思考することが大切。

問6

島根県出雲市の因佐神社前にある案内図と実際の地図の比較、など資料をもとにした出題。例年と同じ傾向であり、本文の文章も短めなので、まずは全体の出題数と解答用紙の解答欄をみて、取り組みやすい問題から着手したい。

問12

問12は、メッセージを発信する上うえで困難な時代になったともいえるとし、インターネットの特徴を考えて、具体的に起きていることを説明し困難さを明らかにせよとする180字制限記述。180字は一見、長文記述に思えるかもしれないが、慣れればむしろ、その字数に収めるように構成して記述することが必須。ここでは、インターネットの特徴、具体的に起きていること、そして情報を発信したり受け取ったりすることが困難であることを結論付ける文を先にイメージしたい。